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黒酵母由来“アクアβ”について
 当社は、黒酵母微生物の1種である Aureobasidium pullulans の1菌株(図1)が、β‐グルカンの中でも免疫賦活活性が高く、しかも可溶性であるβ-1,3-1,6-D-グルカンを分泌生産することに注目しました。また、黒酵母菌は食品から単離されることが多く、整腸作用効果のあるフラクトオリゴ糖や、医薬品のカプセル原料であるプルランを生産することでも有名です。
 Aureobasidium pullulans の培養液は増粘多糖として食品添加物に指定されています。しかしながら、Aureobasidium pullulans の産生するβ-1,3-1,6-D-グルカン含有培養液は粘度が数千cP(=mPa・s)と高いために、その培養液から微生物菌体を取り除くのが難しく、β-グルカンの工業的回収精製法は殆ど報告されていません。そのために、未分離のまま微生物菌体と共に用いられているのが現状でした。
 我々は金属塩濃度、pH、そして温度条件等を駆使した独自の処理技術により培養液の低粘度化に成功し、工業スケールにおいて、安定な低粘度βグルカンの醗酵生産法ならびに精製法を確立しました。
図1.黒酵母培養液(菌体は約10μm)
図1.黒酵母培養液(菌体は約10μm)
図2.アクアβ(β-1,3-1,6-D-グルカン)の構造
図2.アクアβ(β-1,3-1,6-D-グルカン)の構造
アクアβの特徴
 黒酵母培養液から得られる当社のβ-グルカン機能性食品素材『アクアβ』は、β-1,3-1,6-結合を有するβ-D-グルカン構造をしています(図2)。その分子量はプルランを分子量マ−カ−にして求めたところ、数平均分子量は約5万、重量平均分子量は約10万と低分子です。構造は、13C-1H二次元NMR解析とエキソ型のβ−1,3-グルカナ−ゼ処理による生成物の分析から、β-1,3-結合を主鎖に、β-1,6-結合でシングルグルコ−スが高分岐した構造(分岐度は80-100%程度)であることが明らかとなりました。また、α-グルカンやその他の多糖、例えばプルラン等を殆ど含んでいないことも確認しています)。このように、アクアβの基本構造は、抗ガン剤であるレンチナンやシゾフィランと類似しています。br>
アクアβの安全性
 急性経口毒性試験(ラットLD50=3000mg/kg以上)、反復投与毒性試験(ラット雌雄4週間)により、食品としての安全性を確認しました。
 また、アクアβの原料になっている黒酵母培養液は、増粘安定剤として厚生労働省の既存食品添加物に収載された物質であり、その安全性については、2002年に「既存天然添加物等の変異原性を中心とした安全性研究」(国立医薬品食品衛生研究所)と、2004年に「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(日本食品添加物協会)によって報告されています。

アクアβの機能性
 黒酵母β-グルカンは、マウスへの投与試験から、マクロファ−ジの活性化、サイトカインの産生促進、NK活性の増強効果が報告されています。当社では、β-グルカンの腸管免疫への作用メカニズムを調べるとともに、新たな機能性を見出すことを目的として、研究開発を進めています。特に腸管免疫系、自律神経系、ホルモン系への作用に着目し、その機能を評価しています。

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