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近年、光学活性化合物は医薬品用途として多く使われるようになりました。通常、医薬品で不斉炭素を有するものは、副作用(毒性)の問題などから、異性体の両者について薬理作用や毒性を調べた上で開発を進めることが求められています(FDA announcement, Chirality 1992, 4 , 338.)。 このため、原料となるキラルビルディングブロックについても両異性体を高純度でかつ安定に供給する技術を見出すことが重要です。
当グループでは、培養法や触媒法により得られるエピクロロヒドリン、3-クロロ-1,2-プロパンジオールなどの光学活性体を原料とし、有機合成の手法を駆使してより複雑な医薬中間体・原体の製法開発・工業的製造に取り組んでいます【下図】 。さらに、 キラルアミン誘導体を触 媒とする非天然型α-アミノ酸やヒドロキシカルボン酸の合成(光学分割法) 、カルボン酸無水物の選択的へミエステル化(非対称化法)など、新たな技術を導 入し、幅広い化合物に対応すべく研究を進めています 。 |
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| 2000 年、米国の医薬品開発ベンチャー企業である ChiRex 社(現 Rhodia 社)との技術提携により、光学活性エピクロロヒドリンおよび 3- クロロ -1,2- プロパンジオールの安定的な製造・供給が実現しました。これは米国 Harvard 大学の E.N.Jacobsen 教授が開発した技術 ( Jacobsen E. N. et al. Science, 1997, 277, 936. )で、エピクロロヒドリンのラセミ混合物を原料とし、不斉触媒を用いることにより一方のエナンチオマーを選択的に加水分解することによって光学活性体を得るというものです(速度論的光学分割法)。不斉触媒を使 い分けることにより、両エナンチオマーを容易に作り分けることができます。 |
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2001 年、米国ブランダイス大学 Li Deng 教授が開発した、非天然型α - アミノ酸およびキラルα - ヒドロキシカルボン酸類の製造に関する技術提携を行いました ( L. Deng, et al., J. Am. Chem. Soc ., 2001, 123 , 12696 and L. Deng, et al., ibid, 2002, 124 , 2870) 。これは、アルカロイ ドの一種であるキニンまたはキニジンの誘導体を触媒として用いた速度論的光学分割法です。この技術は、広範な種類のα - アミノ酸類およびキラルなα - ヒドロキシカルボン酸類に適応が可能であり、特に非天然型α - アミノ酸類の合成に有功な手法です。当グループで は新たに触媒を開発し (WO03/064420) 、さらに高純度の光学活性体が得られるようになりました。また、触媒の種類を使い分けることにより、両エナンチオマーを容易に作り分けることができます。使用後の触媒は酸 - 塩基抽出法により回収でき、リサイクルが可能で す。現在、この技術を利用した様々な誘導体の実生産に向けてチャレンジしています。 |
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2003 年、米国ブランダイス大学 Li Deng 教授より、キラルアミン触媒を用いた C2 対称カルボン酸無水物の非対称化反応に関する使用権を取得しました( L. Deng, et al., J. Am. Chem. Soc ., 2000, 122 , 9542 ) 。
meso - ジカルボン酸環状無水物の選択的加アルコール分解反応 により、キラルなへミエステル誘導体を得ることができます。当 グループで開発したアミン触媒 (WO03/064420) を用いると、これらへミエステル誘導体が高収率・高選択的に、また両エナンチ オマーを得ることができます。使用した触媒は、酸 - 塩基抽出法による回収後、リサイクルが可能です。 |
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